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わくわく着物~着物の愉しみ~ 臥竜亭へようこそ!

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5月のお洒落着-紗袷

■ □■紺地紗袷小紋に紗袋帯■□■

 着物は大きく分けて、袷と単衣、薄物という種類があると言われますが、実はもう一つ、袷と単衣の中間に着る「紗袷」という着物もあります。言葉の通り、「紗」の着物を二枚合わせて「袷」に仕立てたり、絽に絽や紗を重ねたりして、薄物を通して下の絵柄を透かしてみせる、贅沢な着物です。濃い地の紗を重ねることが多いので、色の濃淡で柄を見せる、地見目な着物にみえますが、下の着物だけを一枚で見てみると、原色使いのかなりビビットな着物だったりします。
 着用時期は本来、袷と単衣の中間なので、五月の半ばから六月の声を聞くまでの約二週間という、本当に限られた期間です。しかしあったら着たくなるのが人の情。ほとんど着物を着る機会がないという現代の事情もあいまってか、「単衣の時期もOK!」というのが現在のドレスコードのようです。また、エッセイスト(という肩書きでいいのかな?)のクニエダヤスエさんは雑誌で「私は夏でも袷を着るの。だって、寒がりなの!」とインタビューに答えておられましたっけ。
 訪問着で見かけることが多い紗袷ですが、私は小紋をチョイス。私のライフスタイルでは、訪問着より小紋の方が、着られるシーンが多いか、という計算です。そして実は、絽の薄水色無地に、岸辺で釣りをする風景が織り出された紺地の紗という組み合わせ。下絵が透けて見えるわけではないのですが、柄が強調されて見えます。紗袷として売られている物は、訪問着がほとんどだったので、単品の絽と紗で作りました。
 着物の一般的なお約束として、夏の着物は、着物と帯、小物の素材を揃えるのがオシャレといわれます。絽には絽、紗には紗、麻には麻、というふうに。着物が紗袷なので、早いように思っても、帯は紗袋や絽綴れなどを。ここでは明るい辛子地色の紗袋帯を合わせました。着物の岸辺で釣りをする風景に、露芝の帯で、一続きの風景画、というイメージで。

紗袷

紗袷・帯



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